田島珈琲店の唄

まつことから始まる。

窓の外の景色が表情を変える。
ゆっくりと時は流れる。
このひとときを夢にみた。
夢はとおい耳鳴りのように感じた。

まつことから始まる。

いっとき、人が集まる時がある。
話すもの、笑うもの、うつむくもの。
それは波のようなものだと知っている。

まつことから始まる。

時計の針は見えない流れを音で伝える。
昇る蒸気は消えることで存在を知らせる。
活字を追うものも、ふと外を見るときがある。
我に返り目を戻す。
窓の外の景色が表情を変える。

まつことから始まる。

作:中里祥己