毎日毎日、この窓から北の空を見上げてきました。
山の向こうに娘が暮らしていました。
その空を、毎日毎日眺めていました。
資格を取り、山の向こうに就職して、
三年は続けるからと、家を出ました。
自分で決めた通り、三年半勤めました。
車もなしで、雨の日も雪の日も自転車で職場へ通い、
我が娘ながら、えらいなぁと思っていました。
その娘が、帰って来ました。
いいことも、そうでないこともあっただろうし、
それでも季節は巡り、暑い日も寒い日も、嵐の日も、
自転車をこぎ、風を切って走ってきました。
二人の子供たちは、
資格を取り、その職につきました。
親の背中を見て育ったおかげでしょうか。
親父のようになったら駄目だと、
自ら大学を決め、資格を取り、職につきました。
今日は、そんな娘が帰ってきます。
ちょっと嬉しく、
ちょっと切なく寂しい。
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