焼き肉の思い出

子供の頃、
僕は伯父が出掛ける時の相棒だった。
その日も名古屋へ行くからついてこいと言われ、
いそいそと助手席に座った。
帰り道、
伯父が焼肉を食べて帰るかと言った。
肉といえばかしわという文化だったし、
給食で使ってある肉は豚の脂身だった。
なので肉は大嫌いだった。
焼き肉を知らないというと、
そうかと車を焼き肉屋の駐車場へ入れた。
初めて見るコンロ。
大皿に乗った赤身の牛肉。
焼けたのを取ってくれてさあ食べろと言う。
恐る恐る食べると、
これが美味かった。
びっくりするほど美味かった。
以来焼き肉は好きになり、
赤身なら肉も食べることができるようになった。
あれから50年。
焼き肉をはじめたくさん肉を食べたが、
伯父が食べさせてくれた肉が一番美味かったと思う。
時々、伯父のことを思い出す。

掛け替えのない思い出があることを祈ります。
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