上石津は牧田の宿で古い建物に出会ったので見上げていると、
近所のおじさんが通りかかったので尋ねてみた。
郵便局のあとだそうで、
明治時代から続き、
これでも建物は一度建て替えられたそうだ。
昔は村の有力者が役人をやっていたそうで、
牧田宿は北陸からと美濃からの荷物を積み替えたところ。
その問屋を局長の家と、
このおじさんの家で交代でやっていたのだと。
馬を繋ぐ石も残っていた。
玄関脇の小窓には、
夜間電報電話受付とある。
そんな時代の片鱗を知っているのも、
僕の世代が最後だろう。
電話や自動車のない家は珍しくなかった。
電話を近所の電話がある家で借りたり、
かかってきたら呼びに来てくれたりしていた。
この郵便局もそんな機能も兼ねていたのだろう。
郵便局の向かいは自転車屋だったようで、
看板が架かっていた。
吉田自転車商会。
逓信省指定自転車店。
奇しくも向かいは郵便局。
ここまで書いて写真を見返したら、
郵便局の前のカーブミラーに、
僕が写真を撮っている姿が写っている。
取り扱っていた山田の自転車は、
鋼鉄製、回転部は全て防水だったそうだ。
自転車も高級品だった時代。
掛け替えのない一日でありますように。
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